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呼吸とあり方

更新日:2019年11月12日


今年も今日で最後です。私は昨日が仕事納めでした。

2017年も色々な方がTENに来てくださり、様々なドラマやストーリーを空間で共有させてもらいました。

笑いに溢れ、時々涙。

でも悲観的な涙というよりは、体に滞っていたものが解れて自然と流れてくる涙。

12月の頭に、ソースポイントのサプリメンタルクラスを開催しました。

ソースポイントのモジュール1と2、そして3では時間的にカバーできないけれど、知っているとソースポイントの理解がより深まる内容のクラスです。

初開催でしたが、様々なバックグラウンドの方が集まってくれて、とても充実した時間でした。

ソースポイントを行う人が日本で増えてきているのは本当に嬉しいです。

それぞれが色々なプロセスを歩んでいて、一緒の場でそれを共有できる時間はとても大切です。

クラスの内容は、いざクラスが終わると文字にするには時間がかかりました。

今でもクラスでもたらされた気づき、感覚、変化は確実に残っています。

その状態でセッションをしている中で感じることを今年最後のブログとして書き残しておきたいと思います。

「呼吸とありかた」について。

昨年もそうでしたが、どうも1年は呼吸のことを書いて終わるようです 笑。

ロルフィングは、第1セッションのテーマが呼吸ですが、実は10シリーズを通してずっと呼吸が自然とできる体というものを目指しています。

最終的にラインが真ん中に通り、その周りに水平面のバランスが取れていると、呼吸で全身が動くようになります。

1日2万回以上も行う呼吸を効率良くできる方が体が楽なのは想像がつきますよね。

ロルフ博士はロルフィングを受けていない人の体のことをランダムボディ(整っていない体)と呼んでいましたが、実際10シリーズの初めの方で体が整っていなく、呼吸もしっかりできていない人はとても多いです。

呼吸については色々な本で紹介されていて、インターネットでも調べたら出てくるものが沢山あります。

呼吸の仕方、体の使い方、そして体が楽に呼吸をできる状態なのは大前提ですが、本質的に呼吸が変化していくにはもう一歩先に突っ込んでいかないといけないと思っています。

それには、肉体だけのアプローチ、理解ではやはり限界があります。

呼吸は普段無意識に行っているので、とても自分の心理状態や信念と関係が深いです。

感情的なものを押さえ込んでいたら横隔膜あたりは常に緊張していないといけない。

すると、もちろん呼吸も制限されます。

皆が溢れる感情のままに生活していたら社会が成り立たないので、制限をかけることも必要です。

でもその状態がずっと続くと体がしんどいですね。どこかで解放してあげないと循環しないです。

文化的に真面目な気質の方が多い日本では、「頑張りすぎ」な方が多い気もします。

休まずに働くことが美学。

常に忙しくしている(心を亡くしている)。

寝ずに働いてなんぼ。

周りに迷惑をかけないために自分が我慢する。

子育てと仕事を両立させ、両方とも完璧にしようとする。

そんな頑張り屋さんが周りにいるのではないでしょうか?

体が緊張しているのがわかる状態ならまだしも、緊張している状態が長すぎてそれが当たり前だと、緊張していることすら分かりません。

その状態で「頑張り続けて」いると、体は悲鳴をあげますよね。

数年ぐらいだったら大丈夫なんです。

それが、10年、20年続いていくと、知らない間に不調が出てきます。

頑張っている人がどうなるかというと、体が緊張して、呼吸が浅くなってしまいます。

頑張っているときは、交感神経が働いている時ですね。

横隔膜がリラックスする暇がないので腰の上の方がかたーくなってきますね。

呼吸が上まで入らないので、肩も凝る。でも、苦しくても頑張る。

姿勢を良くしないと!と頑張っている人も多いです。

これは、頑張っていなくても姿勢は良くなるという事実と、体にとっては「気をつけ」の状態が良い姿勢ではないことを理解する必要があるでしょう。

難しいことは、そうして頑張ってきた人たちは頑張っていない感覚が分からないので、「頑張って」リラックスしてしまうことです。

アクセルを踏んだまま、ブレーキを踏む状態です。

では、頑張らないようにするのはどうしたら良いのでしょうか?

頑張らないようにするための第一歩は、頑張っている状態に「気づけ」たら良いんですね。

アクセルを踏んでいることに気づけば良いのです。とてもシンプル。

でも、「気づけ」ば良いと言われて気づいていれば、皆できますよね。

頑張っている状態を少し理解するのに、DoingとBeingの違いが理解できると助けになると思います。

Doingの場合、何かを「する」というところに注意が向いています。

Beingの場合、どう「ある」かに意識を向けます。

呼吸するということを「行為」のDoingとして見た場合。

きちんとできているか、できていないかという、呼吸を良し悪しで判断してしまう可能性が出てきますね。

「呼吸が浅いから、もっとしっかり深呼吸しないとダメだ。」

「なんで自分は呼吸がしっかりできないんだろう?きっとまだ何かが足りなんだ。もっと頑張らないと!」

このループにはまっている人は、案外多いです。

呼吸は大切だってわかってる。

マインドフルネスや瞑想が流行ってるから、やってみるけど良くわからない。

体が楽になる実感がないから続かない。

大体、何もしないで呼吸に意識を向けるだけで良くなるなんていう美味しい話があるわけない。

がむしゃらに頑張らないと成長しないんだ!

こんな感じでDoingから抜け出せない人も多いのではないでしょうか?

また、Doingを能動的な行為として捉えて、逆の受動的な状態でいようとする人もいます。

頑張って受動的な状態にいるのも、一つのDoingの形であり、Beingではないですね。

あー難しい 笑

ではBeingとして呼吸をみてみるとどうでしょう?

ただ、呼吸している状態に意識を向けます。

吸気があり、呼気がある。吸って、吐いて。

どこからともなくやってくる呼吸。

そして、どちらでもない瞬間。間。

呼でも、吸でもない。永遠に続く静かな瞬間。

ただ、ただ、それらと共にいれば良いんです。

呼吸をしようとする必要すらないんです。

呼吸はすでにしている、おこっていることだから、呼吸に意識を向ける「だけ」で良いんです。

これって、今を生きるということですね。

全身全霊で取り組む、という言葉がありますが、まさにその状態です。

何となくやる、ただこなすのではなく、その瞬間に100%いる。

頑張っている状態より、よほど目の前のことに集中しています。

頑張らないと聞くと、そんなの怠惰だと思ってしまうかも知れないですが、全く逆なんですね。

思考は「今起こっていること」ではないです。

未来のことだったり、過去のことだったり。

思考もDoingです。

思考に囚われているのに「気づけたら」、またBeingに戻れば良いのです。

ここまで呼吸でDoingとBeingを見てきましたが、実はこれは呼吸に限ったことではないですね。

仕事でも、家事でも、友達や子供達と遊ぶときでも、そこに「いる」のかどうか。

今を生きているのか。

Doingの時は、自分がそこに「いない」ですね。

セッション中は、施術者もクライアントもそこに「いる」のが大前提です。

子供と過ごしている時間は、自分がそこに「いない」時をとても教えてくれます。

いる時は、頭が静かです。

いる時は、空間が広いです。

いる時は、ただ「いる」だけです。

「いる」時は幸福感で満たされています。

Beingの時には、色々な「気づき」がもたらされます。

「気づき」がもたらされると、変化・変容します。

これは一時的な変化ではなく、その瞬間に生まれ変わってしまうような変化です。

ロルフィングとソースポイントをしていると、そういう瞬間に立ち会える時があります。

心がフワッとあたたかくなります。

優しい気持ちになります。

強くなります。

愛おしくなります。

すると、あら不思議。呼吸も楽になっています。

でもそこに戻ろうと「頑張って」しまうと、そこには戻れないです。

その体験をもう一度したいと「思って」いると、その状態にはなれないんです。

ただ、いるだけ。

すると、また自然と戻っていくことができます。

あり方が呼吸と深く関わっているのを、セッションを通して学ばさせてもらった一年でした。

自分の中でもBeingの感覚がより明確になり、それを言語化できるまで腑に落ちた一年でした。

Beingの状態でいると、日常生活の全てが学びになります。

毎日が楽しいです。

本を読んだり、セミナーで得る知識とは違う学びが常にあります。

今年もまた成長できた実感があるので嬉しいです。

皆さんはどうでしたか?

このブログを読んで下さり、何かのヒントになれば幸いです。

また来年もBeingでいられる時間を長くしていきたいですね。

2018年もどんな気づきがもたらされるのか、どんな成長をするのか、楽しみですね!


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