下肢へのアプローチ

最終更新: 2019年11月12日


前回のIMACのEssential ROM Assessment(タイトル名が長いですね!EROMと私本人は呼んでいます)のセミナーで印象に残っていたことを、下肢へのアプローチ編の受付も始まったのでここで紹介しておきます。

クラスの後半に下半身の可動域を見ていき、最後に足の可動域を見ていった時に、デモの方の左足首に背屈制限、左親指のIP関節に伸展制限、MTP関節に屈曲制限がありました。そこで、アプローチでどう可動域が変化するか見ていきました。今回は軟部組織へのアプローチではなく、関節のバランスを取っていきリリースが起こると、どう可動域が変化するかというのを紹介。IMACの考え方、主動筋の機能制限で可動域制限が起こるという考え、そしてそれを元に作っていった筋と可動域対応表の良いところは、筋肉を緩める方向に持っていきたいときは、そのまま対応している可動域の方向へ持っていけば良いだけなんですね。最終可動域まで持っていくと拮抗筋の抵抗がでるところまでいってしまっているので、その少し手前にある弛緩してリラックスしている所で止まれば良いのです。


実際には、IP関節の伸展制限を長母趾伸筋の作用である足関節背屈とIP関節伸展で筋肉が緩む方向へ。筋肉が弛緩した状態で関節のバランスが取れる位置を探していきます。筋肉が弛緩していないと、関節のバランスを取るのが難しい、というか無理なので、関節にアプローチする際に筋群の働きと機能を知っておくと便利です。次に、MTP関節屈曲制限は短母趾屈筋・母趾内転筋が主に関わるので、若干内転・屈曲方向へ持って行きMTP関節のバランス位を取りました。つまり、親指の先は若干伸展、付け根は屈曲という、あまり普段は取らない位置に持っていくことになりました。その二つで母趾の関節群のバランスは取れたのですが、下腿、特に腓骨の部分で突っかかる感じが気になりました。システム全体でバランスが取れると、全体もフワーっとリラックスするのですが、それがまだなかったので、親指だけでなく下腿まで含めてあげないと駄目な状態でした。


そこで、長母趾伸筋から腓骨にも影響が出ているのだろう、ということで脛骨・腓骨を内外旋して微調整。すると、腓骨のバランスを取るためには、上から引っ張っている大腿二頭筋も弛緩位に持っていく必要があったので、膝屈曲+脛骨外旋位にもっていきました。大腿二頭筋を伝って仙結節靭帯まで繋がり、仙骨から左下肢全体のバランスが取れる状態になりました。仙骨から股関節・膝関節・足関節・第一趾の関節と、左下肢全ての関節がバランスを取れる位置に持っていくことになったわけですね。

こうして「メカニカル」に各関節と筋肉に関係し、連動して作用しているもの全てにアプローチしていかなければいけないことは多いです。

この突っかかる感じや、繋がる感じ、バランスが取れる感じというのは、全て「感じ」という表記になっていることから分かってもらえると思いますが、感覚なので文字で伝えるのが難しいです。バランス位で探しているのは、関節・筋肉ともに緊張がなくなり、全体が柔らかくなる位置です。SCSやポジショナルリリースとも似ています。ただ、圧痛点や反射点を探しているのではなく、あくまでその部位全体のバランスが取れる位置を探すというところが異なりますね。

バランスがとれたら、そこで暫くリリースが起こるのを待ちます。リリース後に可動域を再度検査してみると、全ての可動域制限が綺麗サッパリ無くなっていました。筋筋膜や、筋肉に対して圧もかけていないですし、ストレッチもしていません。筋出力を促すためのこともしていないですが、こうして関節全体のバランスが取れてリリースが起こると、可動域も筋出力も戻ってくるから不思議ですね。神経反射的には、関節因性筋抑制もあるぐらいなので、関節に起因して筋緊張バランスが崩れているものも多いのでしょう。

さて、こういう状態になってしまう原因の一つに、足首の捻挫があります。捻挫をした時に腓骨も一緒に下に引っ張られてしまい、そのままの状態になっているんですね。腓骨が下に引っ張られるため、大腿二頭筋(遠位付着部は腓骨頭)の働きが悪くなり、近位付着部の仙結節靭帯および仙骨、腰に影響を与えていることも多いです。

また、足首の背屈制限は、足趾伸展筋の機能不全で制限が出ていることが多いです。足関節背屈筋の前脛骨筋、第三腓骨筋よりも圧倒的に長母趾伸筋・長趾伸筋の方が働いていないケースが多いです。足趾伸展筋の機能不全は趾節関節のバランスが悪くなって起きていることも多く、これは合わない靴だったり、股関節の伸展制限と関係があることもあります。趾節関節のバランスが取れると、今までふくらはぎやアキレス腱のストレッチをどんなにやっても改善しなかった足首の背屈制限が取れてしまうこともあるんですね。

こんな感じで、筋肉の緩む位置、関節のバランスが取れる位置、筋膜へのアプローチの考え方を中心に、下肢へのアプローチのクラスでは実際に体と手でしか学べない「感覚」をクラスで皆さんと探求・共有していきたいと思っています!EROMのクラスもとても楽しかったので、このクラスもどんな風になるかとても楽しみです!なんだかんだで、まだ告知していなかったのですが、残り二枠となりました。興味のある方はお早めにお申し込みください


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