2018年の振り返り

最終更新: 2019年11月12日


2018年も残すところあと一日となりました。

今年はキッズロルフィングを開催したり、新しい先生の通訳をさせてもらったりと、仕事でも新しい学びや刺激が多く、プライベートでも子供が増えて楽しい時間が増えました。しかし、同時に家族と仕事のバランスで大変な時期もありました。家族が健康ではじめてバリバリ仕事ができることを痛感した一年でした。来年も、上手くバランスを取りながら、一年を有意義に過ごしていきたいです。

Center of Integrative Movement Assessment(IMAC)では、今年もテンションが上がってしまう色々な学びと発見があったので、備忘録として今年最後のブログに残しておきます!

【IMACのはじまり】

IMACは、もともとMuscle Activation Techniques(MAT®︎)と呼ばれる手法の可動域評価・筋テストと、ロルフィング®︎的な筋膜へのアプローチに関係性がありそうだな、という観察をまとめていったものです。

内臓マニピュレーションで臓器にアプローチした際に可動域が改善され筋出力も上がったことから、筋肉だけではなく筋膜だったり神経系の状態が可動域と関係しているんだろうと考え、私はかれこれ8年ぐらい前からロルフィングの施術でもその評価法を取り入れて使っていました。そもそも、MATの評価法を知っている人が少ないし、同時に内臓マニピュレーションや筋膜的アプローチを行う人も殆どいないので、そういった発想・着眼点で体にアプローチしている人がいないのです(汗)。しかし、そのアプローチ方法を学びたいという要望があったのでセミナーを開くことになり、単発でのセミナーではなく継続的に学んでいけるプログラムにしたかったことから、IMACが生まれました。元々は自分で探求していれば満足だったのですが、臨床での効果は間違いなくあるので、他にも同じ考え方を持って体と向き合う人が増えていったらより色々なことがわかってくるだろうし、自分以外にもそういう見方をする人が増えることでディスカッションがしたかったというのも理由の一つです。

2015年の12月にイントロのクラスを初開催させてもらい、IMACという形で自分の考え、アプローチ方法をまとめ始めました。もともとは「可動域評価→筋テスト→筋膜的アプローチ→筋テストで確認→可動域再評価」という流れでした。既存のアイデア・理解をもとに、こういう状態だとここに制限があると決め打ちして体にアプローチするのではなく、可動域を通して実際に体で制限があるところ、動きの代償がどこにあるのか見つけてアプローチしていくと効率的だし効果もでます。それと共に、しっかり可動域や肉体へのアプローチをすることで、曖昧な感覚だけで実際の効果が出ていない手技やアプローチになっていないかを評価しましょう!というのが主な目的でした。

2016年に各クラスで一通り全身を網羅していく中で、やはり筋肉ではなく、制限がある筋群・組織に共通する部位にバランスの崩れがあるな、というのが明確になって来ました。そこで、今まで使っていた可動域と筋テストから、より部位・体節・空間・可動域にうまく対応し、効率的に評価ができるように変化・改善していきました。MATでは「筋肉をテスト」するという方向から考えるので、それぞれの可動域評価は大雑把なのと、各筋肉同士の関係性という見方はしていないです。IMACでは逆に「動き」と「各筋肉の関係性」から見ていき、関節可動域の中で筋肉それぞれが担う作用という観点から、各部位を鑑別できるように考えていきました。2017年には追加で手足の細かい部分のクラスも行なったことで、より全体像、中心線、体の本来の楽な位置が明確になってきて、体の原則もまとまってきました。例えば、両側遠位で可動域制限がある場合、中枢に問題がある、と言ったような原則ですね。

【2018年IMACの流れ】

その流れの中で、2018年のクラスは筋テストを別のクラスにするように構成を変更しました。これは、筋テストを行うことで施術の流れが途切れる、神経的にストレスを加えてしまう、筋テストのできない(やりづらい)筋群を含められないという弱点があったからです。例えば、外側翼突筋のような筋肉。もう一つは、可動域までは良くても筋テストが入ってくると、角度や力のかけ具合など細かい情報が多くなり、習得するのが難しい人が多かったのも理由の一つです。筋テストを知ることで、トレーニング中に筋の状態を確認できたり、アイソメトリックで弱い筋肉に的確に刺激を入れたりできる利点もありますが、もともとIMACは色々な要素が含まれていて情報量が多いので、できるだけシンプルにエッセンスを抽出していくように考えていきました。

そこで2018年はIMACの醍醐味である「体全体の関係性を可動域を通して把握していく方法」を伝えていく、ということに焦点を置きました。股関節を例に説明したのはこちらです。筋テストをしなくなった代わりに大雑把な可動域から細かい可動域へと詳細を評価していくことで、筋テストを行わなくてもかなり部位を絞り込めるようになった印象があります。

同時にアプローチ方法も、直接法的なアプローチだけではなく「ニュートラル」を取るというアプローチも導入し始めました。頭蓋や口腔へのアプローチも紹介する際に直接的アプローチだけだと厳しいと考えたのが理由としてあります。自分が内臓にアプローチする時にも滅多に直接法は使わないので、頭蓋や内臓といった内容をクラスで紹介する前に手の感覚を養ってもらい、練習するために導入しました。

【今年一つ目の大きな発見】

そんな流れがあり、今年一つ目の大きな発見に至りました。それは、3月に脊柱評価のクラスを行なっていた時のことでした。軸骨格の評価方法とアプローチを紹介していくクラスでしたが、胸鎖乳突筋は迷走神経や横隔神経との関わりも深そうだし、頭頚部の動きに大きく影響を与えている筋肉なので、可動域評価法とアプローチ方法を紹介していた時でした。その可動域評価(頭部伸展+頚部屈曲+頚部対側回旋)が初めてだと少しややこしいのですが、参加者の人がたまたま間違えて対側でニュートラルを取ろうとした時に、制限があった側の可動域制限がなくなってしまったのです。

!!!!え?!!!!

胸鎖乳突筋は体の中でも少し特殊な筋肉で、肋間の反射点を刺激した時には、他の筋肉は同側のみで反射作用が起こるのに、胸鎖乳突筋は両側で反応が出たりするようなので、これはたまたま胸鎖乳突筋だからそういう効果が出たのかな、とはじめは思いました。そこで、他の体の部位で可動域制限を見つけて、それに対して健側(可動域制限がない側)でニュートラルを取ると、「あら不思議!」可動域制限が取れてしまうという現象が体のどこの可動域制限に対しても起こったんです。つまり、左の股関節の内旋制限がある際に、右の股関節の内旋位でニュートラル(一番楽な場所)を見つけると、左の股関節の内旋制限が解消してしまうのです!

これは、かなりの衝撃でした。脊髄反射的には同側前後(屈筋と伸筋)の筋肉だけではなく、対側の筋肉も反射作用(同側屈筋が活性すると、同側伸筋と対側屈筋が抑制)があるのは知っていますが、ニュートラルを健側で取ると患側に変化が出るとは!

え?ニュートラルってこんな感じで変化しちゃうの?という感じでした。ニュートラル自体を使う人が殆どいない訳です。使うとしても関節、もしくはバイオダイナミクスのようにもっと体全体です。そもそも、筋筋膜でのニュートラルという概念すらなかったです(ニュートラルと間接法は違います)。ましてや健側で探すなんて、考えたことがありませんでした。本で読んだだけのものも含めると私は色々な手技療法を知っているとは思いますが、ニュートラルを健側でとるアプローチは今まで聞いたことがないです。操体法が楽なところを探すという意味では似ている感じもありますが、IMACの可動域検査法は各関節ごとに細かいので、よりアプローチする部位もスペシフィックになりますね。

健側でニュートラルを取るとビックリするぐらい変化が早く、組織の状態も一瞬でフワフワになってしまいます。可動域を向上させるだけならストレッチでもできるのですが、それだと筋抑制してしまうので一時的ですが筋出力が落ちます。ストレッチの効果がなくなり、筋出力の抑制が収まった時には、一時的に改善していた可動域の向上もなくなっていることも多いです。では、健側でニュートラルをとった場合の変化はどうかというと、患側の可動域制限がとれ、また筋出力も向上しました!健側でニュートラルを取ると、患側の働いていなかった筋肉が働くようになり、可動域制限も改善したんです!頭ポリポリするしかないですね。

部位によってはニュートラルのポジションが取れただけで変化してしまう時もあるので、ストレイン・カウンターストレインとも違います。反射作用にしては反応が早すぎる感じがして、生理的に何が起こっているのかは良く分からないです。ニュートラルは一番抵抗が少ないところで神経伝達の発火も最小になるはずなので、体が自然にリセットできるのか、今年の筋膜学会でも話題になっていた間質液に好影響が出るのか、筋膜のまだ知られていない働きなのか、いくら考えても答えは出ないですが、とにかく変化するんです!

論文で「ニュートラル」を検索しても出てこないですし、EBPが推奨される時代に全くと言って良いほど科学的根拠がなくて困ってしまいます(泣)。神経生理学に詳しい人で、何かアイ