top of page

Shoulder Internal Rotation


こんにちは。すっかり秋めいてきましたね。

今回は専門学校の特別授業やアメフトの選手を見ていた時に気がついた事をもとに、「肩の内旋」をテーマに僕の今までの考え方の発展を紹介したいと思います。

肩の内旋というのは、図のIR方向への動きです。(ここでは肩の90°外転位での内旋)


この図のような外旋(ER)・内旋(IR)の可動域が野球などの投げる動作を繰り返すことによって制限されてしまうケースが非常に多いです。特に内旋運動に制限が出ている場合、上腕骨骨頭(肩の付け根)の位置が前にズレていたり、肩甲上腕リズム(肩甲骨と上腕の骨の動きのバランス)がおかしくなったりすることで、長期的にその状態が続いてしまうと二次的インピンジメント(肩の組織が挟まれたり過剰にストレスがかかることで起こる障害)などの慢性障害を引き起こすと考えられます。今回は、そのバランスを取る為の考え方として、僕が今まで勉強してきた内容とそれぞれの考え方を紹介します。

アスレチックトレーナーとして: 肩の内旋の制限は肩の後方関節包の制限により起こると考えるので、内旋位でさらにストレッチをします。シンプルです。硬くて可動域に制限が出ているんだから、硬い所を伸ばせば良いじゃんという感じです。

ロルファーとして: 肩に内旋制限はあるけれども、筋膜的に肩以外に制限がある可能性を考えます。肩は症状であって原因ではないかも知れないので、身体全体のバランスをとっていく事で肩が自然に治る状態を求めていくように考えます。下の図のように、ベストのような筋膜の身体の左下(図の右下)に制限があると右肩(図の左上)の動きが損なわれると考える訳ですね。


ロルフィングでは、症状の改善ではなく身体全体のバランスを向上し、統合感と身体感覚の向上を目的として施術をしていくことで、右肩の内旋制限がでる前にそれを感知できる身体を手に入れる事ができます。

MATスペシャリストとして: Muscle Activation Techniques(MAT)という手法もロルフィングと同時期に勉強しました。その方法では、可動域制限がある際にはその可動域に関係する主動筋(その動きをする筋肉)を刺激すると考えます。つまり、肩の内旋位で制限がある場合は、大胸筋・広背筋・大円筋・肩甲下筋などの内旋の機能がある筋肉の活動低下を探していきます。これを知ってから、肩の内旋制限がある人に肩甲下筋に対してアプローチするようになりましたが、可動域は劇的にかわります。また内旋位での筋出力も上がるので、簡単に肩の内旋制限を改善したい人には「主動筋」、つまりは肩を「内旋」させる機能を持っている筋肉を考えてアプローチしてあげると良いです。

ソースポイントセラピーの施術者として: 上記までは比較的左脳的に理解しやすいと思うのですが、ここからかなり「本当に?」という感覚になってきます。実際に論理的に理解できないと嫌な自分はそうでした。ソースポイントセラピーでは、身体を構成しているエネルギー体や場にアプローチするのですが、それだけで可動域が出る時もあります。実際、肩の内旋制限ではありませんが、肩の屈曲制限がダイアモンドポイントというポイントを行った後に改善していた時がありました。可動域だけではなく、姿勢なども身体に触れなくても変化します。さらに、色々試したけれども内旋制限がとれなくて、レクタングルポイントと呼ばれるポイントをやった後に嘘のように可動域の制限が取れてしまったこともあります。エネルギー体の方に問題があると、肉体にアプローチしていても一向に改善しない場合があるので、そのレベルにアプローチしてあげる必要があるのです。

ボディートークの施術者として: ソースポイントセラピーで肉体以外の要素もあるという理解が深まった後に、ボディートークを学びました。ボディートークの一番の強みは身体に聞けるようになるということです。右肩の内旋制限があって、もしそれが筋肉的問題なのであれば、バランスが崩れている筋肉と身体の中でコミュニケーションを円滑にしなければいけない部分とのリンクを見つけて、タップしてあげるだけで可動域が改善します。それだけなので、やっている自分が一番驚かされています。また、過去に肩の内旋制限がある人に施術をしている時に意識のバランスを取るという内容が出て来ました。肩は責任感などに関係しているのですが、彼の場合は過剰に意識していた「気負い」が可動域の制限として出ていたようでした。それをバランスするようにタップしたら、右肩には触れていないのに可動域が改善されてしまったのです。不思議ですよね。ちなみに、3日後もまだ改善した可動域はそのままでした。

このような感じで今まで考えが変化し、様々な要素が加味されて今の施術方法になってきています。もちろん、世の中にはその他にも色々な方法がありますし、その人その人に合うものがあるでしょう。ただ、少なくても色々なオプションがあり、柔軟に対応できる方が良いのでは無いかと僕は思っています。ソースポイントやボディートークで起こる事は今までの左脳的、論理的思考ではとても理解できないようなことです。しかし、こうして様々な事を学んでくる中で考えても分からない事が沢山起こることを目の当たりにすると、考え方、論理的プロセスの方を現実に起こっている事が説明できるように書き換えていく必要がありますよね。身体に触れなくても可動域が変わってしまうなら、身体は何によって変化するんでしょうか?何が可動域を制限させる可能性があるのでしょうか?筋肉?神経?気持ち?感情?色々な要素が複雑に絡み合って身体はできているんだなぁ。そんな風に少しでも視野が広がってもらえたら幸いです。

閲覧数:105回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page