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IMAC上肢編


IMAC上肢編、二度目の開催でした。今回も札幌、東京と、遠方から参加して下さった方々がいました。ありがたいことです。将来的には私が色々なところに行ってIMACを開催できるようにしたいと思っていますが、まず当分は大阪での開催になるので移動費など負担がかかってしまいます。しかし、価値を感じてもらえている方には、これは東京からでも来る価値があります!といって頂けているので、コミットする価値はある内容になっているとは思います。アメリカに行って学ぶことを考えたら、安いですからね。

情報量と新しい見方でテンパる人も初めはいましたが、二日目には皆凄く上達していました。ただ今回、時々気になるコメント、ブログなどに書いてくれている表記でも少し考えていることが違うと思うところがあったので、ここに書いておきます。

私が違和感を感じるのは、「硬いところを緩める、リリースする」といった表現です。イントロ編では、手技によるアプローチでなぜ変化が起こるかのセオリーを神経的に説明しています。そのベースとなっているのは、ロルフィングのロバート・シュライプ博士の提唱している筋膜中の固有感覚受容器の働きによるセオリーと、MATで説明する筋紡錘の働きが向上することで可動域・筋出力が変化するというセオリーです。

皮膚から骨までの層は以下の画像のようになっています。これはArchitecture of Human Living Fasciaからの画像の引用です。それぞれの層がきちんとスライドし、動くことで、固有感覚受容器からのフィードバックが脳に提供され、脳がその部位で何が起こっているか理解できるのだと考えます。


Edited Dr. Guinberteau's Image from the book, Architecture of Human Living Fascia

筋紡錘はこのような構造になっています。筋紡錘があるから、筋肉の長さを把握できるんですね。感覚神経と運動神経の細かい働きは、イントロ編で説明します。


筋紡錘中の構造

ロルフィングは、体を緩めるために行うのではなく、正しい位置、バランスを取り戻すことで、結果的に体が緩みます。MATは、可動域の制限があるところから、神経系のフィードバックが欠如していないところにアプローチすることで動きが改善され、結果的に周りの緊張していた組織が緩みます。その二つのセオリーがベースになっているIMACでも、硬く制限があるところは、体の中でフィードバックがない部分、体の正しい部位からズレることによる機能障害が原因で起きていると考えます。つまり、脳もしくは体が「なんかそこは動かしたくないんだよなぁ」もしくは「あそこ真っ暗で何が起こってるか分からないんだよねぇ」といった所を探し、そこがどういう状況になっているか把握し、そこに必要な情報を体に提供してあげているのです。そうすると、不思議なことにシステムレベル(体全体で)変化が起こるんです。一箇所アプローチするだけで他の部分がどう変化するかについての内容はこちらをどうぞ。

緩めるという意識の何が問題かというと、それが初めに来てしまうと、硬い所を探して、やみくもに緩めようとするからです。筋テストをしてもらったらわかるように、硬いから問題があると思っていても、そこが原因でないことも多いです。フィードバックがない部分を守るため、もしくは姿勢がおかしいため(姿勢がおかしいのも、フィードバックがないからだと思いますが)に起こっている緊張部分を、根本的原因を取り除かないで緩めてしまうと、逆に悪化してしまうことはよくあるのです。頭が前にいっているから、それを防ぐために肩が頑張っているのに、やみくもに肩もみばかりしていると、どんどん症状が悪化するのと同じ原理です。つまり、肩こりは二次的な症状です。根本的に頭が上に乗ることを妨げている部分を探していいかなければいけないのです。細かい部分ですが、考え方と意図で結果が変わってくるので、これは大事なポイントでしょう。

「神経的フィードバックがない部分=体の中で脳が認識していない部分=動かせない部分」を全身の中から探していくプロセスがIMACなので、それゆえにIntegrative Movement Assessment(統合的動作評価)なんですね。

さて、6月のイントロ編は残り2席となっています。興味のある方はお早めにお申し込み下さい!皆さんと体のことを学んでいけるのを楽しみにしています!!

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